正しい姿勢が崩れると、背骨が曲がったり骨格・骨盤にゆがみが生じ、
慢性的な頭痛や肩こり、腰痛、内臓障害などのさまざまな症状を引き起こしやすくなります。
正しい姿勢で骨盤のゆがみを治す
正しい姿勢を身につける方法、注意する姿勢、正しい姿勢を作る背骨矯正体操
正しい姿勢を作る背骨の構造とはたらき
人間の体を支えているのは、いわゆる背骨と呼ばれている脊柱です。
脊柱は椎骨という短い骨が26個積み重なってできています。
正常な脊柱は、正面から見た場合はまっすぐで横から見ると首の部分が緩やかに前に湾曲し、
続く背中の部分が後に湾曲し腰の部分が再び前に湾曲しているS字型になっています。
これが正しい姿勢です。
悪い姿勢は、骨盤が後に倒れ背骨が曲がりすぎています
骨盤が立つと、背骨は緩やかなS字カーブになります
脊柱(背骨)は、単に柱の役目だけをしているわけではありません。
中には、体の各部分に張り巡らされた神経の中枢組織である脊髄が通っているのです。
正しい姿勢で脊柱を保護することが、健康維持に大切です。
背骨が伸び、あごを引いた姿勢が正しい姿勢
私たちは重力の世界に生きているので、日常の行動はすべて重力に逆らっています。
重い物を持って急な階段や坂道をのぼるとすぐに疲れてしまいます。
正しい姿勢が大切なのは、重い頭を上に抱えて2本足で歩く人間にとって、
重力に最も逆らっていない状態だからです。
正しい姿勢を横から見ると、
「耳を通った重心線が体の中心を通り、脚部を離れることなくかかとに達する」
正しい姿勢を正面から見ると
「両肩を結ぶ線は床に平行に鼻とへそを結ぶ線は床に垂直になっている」という状態です。
その時には、背筋がピンと伸び、あごが引かれています。これが、正しい姿勢です。
正しい姿勢の状態では、5〜6kgの重さがある人間の頭を脊柱が支えています。
ところが、うつむいたりして頭が前に出ていると、それを肩の筋肉が支えることになります。
いわゆる猫背は背中が曲がって頭が前に出ている状態ですから、肩の筋肉で重い頭を支え続けているわけです。
その結果、肩がこったりするのです。
よくない姿勢が筋肉に悪いクセをつける
筋肉には適応性があり、クセがつきやすいのです。
たとえば猫背のときには胸の筋肉(大胸筋)が縮まった状態になっていますが、その姿勢をとり続けていると、
筋肉がその状態をいちばん楽だと思い込んでしまいます。
そして、いつもその姿勢をとらせようと働きかけるようになります。
こうして筋肉にクセがついてしまうと、猫背などの良くない姿勢が日常生活で習慣化してしまいます。
仕事や運動をしているときは、正しい姿勢をとることができません。
字を書くにしてもパソコンに向かうにしても、それなりに背中を丸めた方がやりやすいことが多いからです。
デスクワークの際はまず、筋肉に悪いクセをつかないよう机や椅子の高さを調節しましょう。
そして大切なのが、クセのついた筋肉を意識して元に戻す習慣をつけること。
どんな姿勢で仕事をしていようとも、一段落したらスッと背筋を伸ばして基本姿勢に戻す習慣を、
ぜひ日常生活で取り入れてください。
その際、必ずあごを引いた状態で頭を上げましょう。
あごが上がっていると頭の重さは肩の筋肉にかかったままになり、筋肉が緊張から解放されません。
体に良くない姿勢は背骨や骨盤を歪めて健康を損ねるだけでなく、老けた印象を与えることにもなります。
日常生活では「背筋を伸ばしあごを引いた正しい基本姿勢」を常に意識するように心がけましょう。
そして立ったり歩いたりするときこそ、この基本姿勢を守るようにしてください。
悪い姿勢とその対処方法
ついついやってしまう良くない姿勢。 あなたはこんな姿勢、していませんか?
<足を組んで座る> 背骨と骨盤を歪めるので要注意
足を組んで座っているときは、必ず猫背になっています。 試しに背筋を伸ばして座ってみると、左右の坐骨に均等に体重がかかるため、 足を組むどころか上げることすらできないことが分かるでしょう。 右足を組むと右側の骨盤が上がり、重心が左坐骨に寄ります。 その結果、脊柱がが右側湾します。 左足を組む場合は、この逆のことが起こります。 いつも同じ側の足を組んで座るクセがつくと、脊柱と骨盤を同時に歪め続けることになり、 腰痛を招く原因となります。 とくに足を組んだ姿勢でパソコンに向かい続けると肩こりや腰痛になりやすくなります。 | 足を組む |
<猫背> 多くの症状を引き起こす悪い姿勢
猫背が習慣になると、頭を支えている肩の筋肉が緊張から解放されないため肩がこってきます。
また、アゴが上がって首の後側の筋肉が収縮させられるので首の後ろ側が痛くなり、やがて
頭痛が起こります。
猫背は、丸まった背中の頂点の位置の違いによって、三つのタイプに分けられます。